ガス代の節約|高いと感じるあなたへ計算方法や平均料金、お風呂術を紹介

ーーガス代は”お風呂”がその大半を占める

まずは、以下の表を見てもらいたいが、家庭のエネルギー消費は”給湯”が大きな割合を占めている。

用途割合
給湯用34.9%
暖房用17.1%
冷房用1.5%
厨房用10.5%
その他動力36.0%

東京都環境庁「都における家庭部門のエネルギー消費量の用途別割合」より作成

同表は、あくまで”エネルギー消費量”の割合のため、ガス以外も含まれていることは注意が必要だ。

しかし、給湯は多くの家庭がガスでまかなっており、ガス節約においてお風呂が大きな鍵が握る点は間違いないだろう。

本記事は、ガス代の節約術について紹介する。

お風呂以外にも、ガス代を節約する有効な方法をいくつか紹介するので、「高い…」と感じる方はぜひ参考にしてみてほしい。

ガス代の基礎知識

本項では、まずガス代の基礎知識として

  • ガスの種類
  • ガス代の計算方法と具体例
  • ガス代の平均料金

を紹介する。

「そんなものはすでにわかっている!」「どうでもいいから早く節約方法を!」と思う方は飛ばしていただいても構わない。

ガスの種類

ガスには大きく分けて、

  • 都市ガス
  • プロパンガス(=LPガス)

と、2つの種類がある。

簡単に説明すると「都市ガス」は地中のガス導管から供給されるガスで費用は安い。一方で「プロパンガス(=LPガス)」はガスボンベに詰めて運搬され、費用は高い(2〜5割くらいの差)

つまり節約を重視するのであれば、可能な限り「都市ガス」を選ぶべきだ。

「プロパンガス」から「都市ガス」への変更は、ガス導管を自宅に引き込む工事が必要なため、費用がかかる(自宅周辺の状況などにもよるが10万円〜と散見された)。

しかし、中長期で今の家に住むのであれば変更を検討しても良いだろう。引っ越しの際に注意してみておくポイントでもある。

ガス代の計算方法

ガス代の計算はおおよそ

「基本料金」+「単位料金×使用量(㎥)」

で、決まる。

基本料金とは、契約していればガスを全く使わなくても発生する料金である。これは、契約内容や使用量などによって変動するが、例えば大阪ガスの場合は「月使用量:0〜20㎥」で「759円00銭」となる。

単位料金とは「1㎥あたりの料金」である。こちらも契約内容や使用量で変動するが、同様に大阪ガスの場合は「月使用量:0〜20㎥」で「174円81銭」となる。

最後に使用量についてだが、これはすでに登場していたが「㎥(りゅうべい・りっぽうめーとる)」で表される。例えばお湯のシャワーを1分浴びれば0.017㎥(参考:資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬」より回数と日数を1回あたりに計算し直したもの)のガス使用となる。なおこの数字は都市ガスのもので、プロパンガスの場合は熱量が多いため、これよりも少なくなる。

ガス代計算の具体例

例として、一般家庭で、大阪ガスを契約し、30㎥使用したとして計算してみると…

「基本料金」+「単位料金×使用量(㎥)」

「1,364円81銭 」+「144円52銭×30(㎥)」=5700円41銭

となる。

ガス代の平均料金

ガス代の一般家庭での平均料金もみていこう。

1人暮らしのガス代平均

政府が行なった「家計調査 家計収支編 単身世帯 」2019年の、1ヶ月あたりのガス代の支出金額をみてみると

  • 1〜3月:3,599円
  • 4〜6月:3,121円
  • 7〜9月:2,102円
  • 10〜12月:2,440円

となっていた。これは年間で平均すると2815.5円となる。

2人暮らし・4人暮らしのガス代平均

前述の同調査ではピンポイントで「2人暮らし」「4人暮らし」という結果が見つからなかった。

そのため参考程度だが「2人以上世帯(2.97人)」の支出平均を紹介する。

  • 1〜3月:6,622円
  • 4〜6月:5,503円
  • 7〜9月:3,454円
  • 10〜12月:3,831円

これは年間平均で4,852円となり、2人暮らしの場合はこれより安い、4人暮らしの場合はこれより多いという基準で見てもらえれば幸いだ。

戸建とアパートの違い

戸建とアパート、という基準ではガス代にはあまり差がつかないだろう。

それよりもここまでで少し触れている、

  • 「都市ガスか?プロパンガスか?」
  • 「お風呂はどうか?(お風呂の広さなど)」

という点に着目していただきたい。

特にアパート(集合住宅)にお住まいの方は、ガス会社などを自由に選べない。契約時に自動的に「プロパンガス」となり、それが基本料金・単位料金の高い会社だと、ガス代が高額になる恐れがある。

また「以前までアパートやマンションに住んでいたが戸建に引っ越した」という方の場合、「お風呂が広くなった」としたらガス代の増加には注意すべきだ。

ガス代の節約術

では、ここでガス代の節約術を紹介する。

紹介する方法は

  1. お風呂を節約する
  2. ガス会社の変更

の2つだ。

それぞれを見ていこう。

お風呂を節約する

ガスを多く使うのは、基本的にお風呂・給湯器だ。

給湯器は、機器にもよるが基本的に「内部でガスに着火させて火を焚き、水をアツアツにする機械」であり、出てくるときに水を混ぜて温度を調節する。

つまり「火を焚いている時間」と「アツアツにする量」を節約していければいい。

そのためのポイントは以下のようになる。

  • 湯船に溜める量を少なくする
  • 湯船のお湯の温度を保ち、なんども沸かさない
  • シャワーを短くする

それぞれを詳しく解説していく。

ちなみに、1つ補足しておくと「火を焚いている時間=給湯器を電源オンにしている時間」とは限らない。最近の給湯器は、電源オンの状態で”水が流れる(水道をひねる)”ことで着火する仕組みになっているものが多いからだ。

湯船に溜める量を少なくする

湯船に溜めるお湯の量を少なくすれば「火を焚いている時間」も、「アツアツにする量」も、短く・少なくすることができる。

具体的には

  • お湯張りの際に「湯量」ボタンなど調節機能がある場合はそれを活用する
  • ペットボトルを沈めてかさを増やす

となる。

前者の場合は、湯船のお湯の量を把握しておこう。普段から湯船につかった際に、溢れ出てしまっているご家庭の場合は、現在の湯量の8割ほどで試してみてはどうだろうか。

後者の場合は、水位でお湯張りを調節したり、水栓でお湯を張ったりする場合に有効だ(自動お湯張りを湯量で調節している場合にはあまり意味がない)

湯船のお湯の温度を保ち、追い炊きなどをしない

湯船のお湯の温度を保つことも、重要だ。

いわゆる「追い炊き」「入れ替え」などの機能を使えば、その分ガスを使用するからだ。

具体的には

  • 保温性の高いフタを使用する

となる。

逆に給湯器の自動保温機能を活用する際には注意が必要だ。もちろん機器にもよるが、保温機能は自動で「追い炊き」をしてしまい、アツアツにこだわりがない場合でも、ガスを使用しお湯を循環させてしまうからだ。

シャワーを短くする

シャワー時間を短くすれば「火を焚いている時間」「アツアツにする量」を節約できる。

これは「湯船に溜める量を少なくする」のと同じ原理と思えばいい。

ちなみに湯船にお湯を張らず、シャワーだけにすれば、もちろんその分ガス代は安くなるが、「温まりたいから…」といって時間が長くなってしまっては意味がない。

シャワーは1分間で12Lのお湯を使用するといい、一方で湯船にお湯を張った場合は200L〜300Lほどのお湯を使用する。

つまり、シャワーを10〜15分以内にすれば120L〜180Lのお湯で完了できるため、湯船よりも安く温まることはできる(体を洗ったりする時間も考慮する必要はあるが)。

ガス会社の変更で節約

都市ガスはあまり変わらない

ガス会社の変更については、契約が「都市ガス」の場合はあまり参考にならないかもしれない。

というのも、ガスはあまり参入企業が多くなく、そもそも選択肢が限られているからだ。

例えば、大阪ガスで月30㎥を使用した場合、

1,364円81銭+144円52銭×30㎥=5700円41銭

とお伝えしたが、ほかの都市ガス会社を比較してみよう。

大阪の場合基本料金料金単価(30㎥の場合)30㎥の料金
大阪ガス1,364.81144.525,700
コープガス1,534.90135.455,598
関電ガス1,262.33133.665,272

表をみる限り、関西電力の提供するガス料金が最も安くなり、428円の節約効果となる。

一方で、東京の場合も見てみよう。

東京の場合基本料金料金単価(30㎥の場合)30㎥の料金
東京ガス1,056.00130.464,970
ENEOS都市ガス1,013.76125.234,771
東京電力ガス
(とくとくプラン)
1,024.32126.544,821

ENEOS都市ガスが最も安くなるが、こちらは130円ほどの節約効果となっている。

ただし、これらはあくまで概算であり、実際の支払い金額とは異なる点は承知していただきたい。

プロパンガスなら安くなる可能性あり

契約しているガスがプロパンガスなら、ガス会社を変更すれば節約に繋がることがある。

例えば一般財団法人日本エネルギー経済研究所・石油情報センターの「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)」の算出した販売平均額を見てみると、

基本料金5㎥の料金20㎥の料金
大阪1,8184,61912,640
東京1,7264,38212,237

となっている。

これより安いガス会社を探せば平均より安く利用できているということになる。

大阪であれば、エネアーク関西が、5㎥=4,430円(基本料金2,200円〜、料金単価446円〜×5)という料金を提供。

東京であれば、東京プロパンガスが、5㎥=4,290円(基本料金1,600円〜、料金単価490円〜×5+税)という料金を提供している。

最新のガス代節約ニュース・記事

ここでは、ガス代の節約に関する最新ニュースの記事を取り上げている。

本記事も随時更新するように務めるが、興味のあるものがあれば、ぜひ読んでみてもらいたい。

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まとめ

本記事では、ガス代の節約術について紹介した。

まとめると、

  • お風呂を節約する
    「湯船に溜める量を少なくする」
    「湯船のお湯の温度を保ち、なんども沸かさない」
    「シャワーを短くする」
  • ガス会社を変更する

である。

本記事は、もし耳寄りな情報や、最新ニュースが見つかれば随時更新を行なっていく。

更新通知のお知らせなども対応しているので、引き続き楽しみにしていてほしい。

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